実験に必要不可欠

免疫沈降法とは、大雑把にいえば、遠心分離によってタンパク質から抗原を分離する方法である。
免疫沈降によって、目的となるタンパク質から抗原と、その抗原に結合する特異抗体を調べることにより、タンパク質の同定を行なうことができるのだ。
人の体を初め、多くの生物はこのタンパク質から構成されている。
タンパク質には数多くの種類があるため、それら一つ一つのタンパク質を調べることによって、生物の分子レベルでの活動を理解することができるのである。
バイオテクノロジーの分野において、この免疫沈降による実験は不可欠なものとなる。
サンプルとなる生物の組織や細胞を、この免疫沈降を用いることで、どの様なタンパク質が組織内に含まれているか、正確に検査することができるのだ。
実験手法自体も単純であり、高い効果が得られるこの免疫沈降は、現在でも多くの研究機関で行われている手法である。

こうした実験を用いる、バイオテクノロジーの知識や技術は、我々の身の回りの物へと還元される。
現代の医学などでも、この免疫沈降の実験によって、適した治療を行なうことができるのだ。
患者などの組織サンプルを得て、タンパク質を同定することにより、正体不明であったウイルスの痕跡を発見することもできるだろう。
さらに、薬品の開発においても、この技術は大いに利用されるものとなる。
新薬の開発にはマウスなどの実験動物が不可欠だ。薬剤を与えその効果を調べるため、免疫沈降などの手法を用い、目的となる臓器などに新薬がどのように働いたのか、分離させた酵素やタンパク質から調べることができるだろう。